ベイブルース 25歳と364日を読んで

ケツカッチンの高山兄さんが書かれた本
ベイブルース25歳と364日】を読ませてもらいました。
人気絶頂でこれからという時に
劇症肝炎という病気で亡くなった
相方河本さんと
高校で出逢ってから
15回忌をむかえた現在までを語った本です。

読んでる内にいろんな事を思い出しました。

僕が初めてベイブルースさんとお会いしたのは
平成三年
筑港にあった博多温泉劇場で
(隔月1ヶ月興行で我々福岡吉本芸人は住み込みで毎日、大阪からの皆さんは3日〜1週間入れ替わりで出演していました)
当時から良く面倒を見てくれてた浅香秋恵姉さんが
『来たで〜未来のダウンタウンが!』と紹介していただいたのが最初だと記憶してます。
実際その頃のお兄さん方は
大阪のコンテストを総なめにしていて
正にそれは
ダウンタウンさん以来の快挙だったんです。
先輩のいない僕らにとって勢いのあるお二人の漫才はそれは華やかで
一言一句見逃すまいと舞台袖に張り付いてたのを思い出します。
特に僕とケン坊は
人当たりが好くて底抜けに明るい高山兄さんが大好きで
少しでも近付こうとしたのか
その時高山兄さんが着ていた漫才衣装が異常に欲しくなり
似たようなタイプの
絞りが付いたジャケットを
二人して天神ビブレに買いにいったのを覚えています。
次にお会いしたのは
北九州戸畑での
大きなお笑いイベントでした。
確か2月くらいの
雪もちらつく寒い日でした。
何故かこんなとこまで
グローブを持って来てるお二人が
(本書を読めばわかります)
当時草野球に相当マジだった
宮川大助師匠を前に
まるでブルペンの抑え投手が出番を待ってるかのように
ずっと投球練習をしてました。
さすが現阪神の矢野捕手とともに同じ高校で甲子園を目指しただけあって
そりゃあ躍動感ある
キャチボールでした。
漫才は面白いし
野球はうまいし
後輩には優しいし
憧れない訳がないですばい。
それから二年後くらいに
YAS吉本オールスターズで
(今田さんや東野さん、キム兄130Rさん吉田ヒロさんらとともに全国を回るイベント)
福岡に来られた時に
都久志会館の楽屋に挨拶に行ったら
お二人は交互に
ホンコンさんの腰を
マッサージされてました。
いつ見ても
運動部の一年生キャラみたいなお二人は
確実に先輩の心も掴んでて
上からも下からも愛されていて
とても羨ましく感じたのを覚えています。


河本兄さんとお会いしたのは
それが最後でした。


訃報を聞いて数年後
名古屋の番組かなんかで
名古屋吉本の後輩たちと一緒に
高山兄さんが福岡にロケでやってきました。
それ以来だったので何てご挨拶していいか
モゴモゴしてるとそれを察していただいたのか
『久しぶりやな〜!元気かいな?』とまた明るい高山兄さんに戻ってました。
てっきり僕はこの本を読むまで
【とっくに・・吹っ切れてると思ってました】

違ってました。


そら
そうですよね。
そんな簡単にすべてを受け入れ、すべてを忘れることなんか出来ないですよね。
だから
15年かかって

やっと
すべてを語られたのですね。

この本を通じて
曲がりなりにも20年ちかく同じ相方で漫才が出来てる有り難みを教えてもらいました。

漫才コンビはよく
夫婦みたいなもんだと例えられます。

嫁(相方)の悪口言いながらも
愛する家族(漫才)のため
互いに支えあっていかなんばい
そのためには離婚(解散)せず
だって
好きあって(面白いと思って)
一緒(コンビ組んだ)になった仲やろうもん。

よしもとの若手コンビの皆さん
ぜひこの本を読んで下さい。


特に
テツオの文句ばっかり言ってる
パンクブーブーの黒瀬くんにはお勧めします。

君もこれで
M-1ファイナリストだ!