なぜか神戸で生まれた僕は、物心がつく前に福岡へとやってきました。そんな僕の最も古い記憶、人間としての原風景とでもいいましょうか、そういう思い出がふたつありまして、ひとつはアパートの洋式トイレに腰が届かず、母親に抱えられて用を足していたこと。そしてもうひとつが、同じく母親に抱えられながら、アパートのそばを走る黄色い電車に手を振っていたことなのです。月に1度、その電車に乗って香椎のアピロスまで買い物に行くことが、当時の我が家では最高の贅沢とされていました。その電車というのが、前にこのブログの書き込みで路線短縮が決まったことを教えてもらった、西鉄宮地獄線。独特の匂いが立ち込める車内、形容しがたい手触りの座席、吊革の上に並ぶ玉屋の文字に、決まった駅で交わされる、運転士さん同士の奇妙な「わっか」リレー…その全てを僕は決して忘れないでしょう。何の用事もないけれど、もう一度ぐらい一緒に乗れるといいですね。そう思いませんか?母さん…。

しかし母さん、北海道はやっぱり寒いです。尋常じゃないです。しかも雨。夜のジンギスカンまで頑張れるか、スタッフ一同不安だと思われ…しかし相変わらず、横の父さんだけは元気です…。
博多華丸・大吉 --- 博多大吉